【技術士口頭試験】技術士のコンピテンシーとは?

技術士の試験を受けようとしている人、受けている人は、コンピテンシーと言う言葉をご存知だと思います。

普段使われない「コンピテンシー」と言う言葉ですが、技術士会では資質能力と訳されており、能力とは明確に区別されており、よく意味と内容を理解しておきたいキーワードです。

技術士の口頭試験では、技術士にもとめられる資質能力(コンピテンシー)について問われることも多いと思います。

本記事では、そのコンピテンシー、特に技術士におけるコンピテンシーについて詳しく解説していきたいと思います。

コンピテンシーとは?

前述したように、コンピテンシーとは資質能力、つまり、技術士にふさわしい能力(専門知識など)だけではなく、それを公益のために用いるために必要な資質(倫理など)のことを言います。

技術士試験では、コンピテンシーを保持しているかどうかを確認するのが大きな目的になります。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)は、文部科学省の科学技術・学術審議会 技術士分科会で以下の8つの項目が挙げられています。

専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理
継続研さん

このうち「専門的学識」と「問題解決」については技術士の口頭試験の評価項目に含まれていません

つまり、筆記試験に合格していることでこの2つの能力を持っていることは認められているんですね。

ということで、筆記試験を合格した人が受ける口頭試験では、残りの6つをどのように示すかが重要になります。

技術士の8つのコンピテンシー

専門的学識

・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。

・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。

コンピテンシーのうち、これはわかりやすいのではないでしょうか?

技術士として仕事をしていく上で、その分野における専門的学識は当然持ち合わせておかなければなりません。

筆記試験で、この資質能力があるかどうかについて確かめられていたんですね。

問題解決

・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。

・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。

これも比較的わかりやすいかもしれません。

技術士は、自分の関わる仕事で発生する問題について、その問題を取り巻く様々な条件や環境を踏まえ、最もいい答えを出していく必要があります。

専門的な知識だけでなく、それを用いて問題を解決する能力も、技術士には求められています。

マネジメント

・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

技術士は、問題を解決するために、あるいは自らの業務を遂行するために、たくさんの人と一緒に協力して仕事をしていく必要があります。

1人でものづくりはできません。そして、技術士は時に指導的立場として、今ある資源を最適に配分することが求められます。

多くの場合その仕事だけに大量の人員や金銭をかけられるわけもないので、限られた資源の中での業務の遂行が必要になります。

その時に、自分の業務ではどのようにその課題をクリアしたか、思い出しておきましょう。

評価

・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。

自分が行った業務を振り返って、100%パーフェクトにできたでしょうか?なかなかできませんよね。

それは当然で、むしろその課題を発見し、評価し、次にどのようにつなげていくか、活かしていくかを考えるのも技術士に必要とされていることです。

自分の経歴で何が得られたのか、どのように役に立ったのか、今後どうしていくべきかなど、口頭試験に向けて深く考えておきたいですね。

コミュニケーション

・業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

繰り返しになりますが、1人でものづくりはできません。

チームで仕事を行う際に、部下や上司、発注者や受注者・・・など、たくさんの関係者がいて、それぞれの立場があります。

その人たちとの間でコミュニケーション不足があったら大変ですよね。

当然、このコミュニケーション力も技術士に求められます。

後になって誤解が生じたり、仕事が止まったりしないように、どのような工夫をしたか、振り返ってみましょう。

リーダーシップ

・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。

・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

仕事を行うチームの中で、リーダーとしてどのようなことを行ったかが重要です。

もちろん、自分は会社の中で部下がおらず、リーダーではない・・・という場合もあると思います。そういう場合はリーダーシップを持ち合わせていないことになってしまうのかというと、そうではありません。

目標達成に向けて多くの関係者と協力し、時には相手にとって不利となる話や言いたくない話をしないといけない場面もあったでしょう。

利害関係が複雑であればあるほど、調整をする人のリーダーシップが強く求められます。

そんな経験をしたことがないか、考えてみてください。

技術者倫理 

・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。

・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。

・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

ある意味、技術士として仕事をするうえで一番重要ともいえるかもしれません。

技術士いう名称を使って仕事をする以上、その社会的責任は付いてきます。

社会倫理に反することや不正行為は勿論禁止ですし、技術者としての義務、責務を果たす必要もあります。

ここで、技術士の3義務2責務と言うのが技術士法に明記されていますので、この内容は最低でも頭に入れておきましょう。

技術士として仕事をすると、高度な仕事や難易度の高い仕事ができるようになります。それだけでなく、大きな責任を背負っていくことにもなります。技術士として最低限背負うべき義務と責務について、技術士法に則ってまとめました。

継続研さん

・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん(CPD)を行うこと。

CPDとは、Conteinuing Professional Developmentのことで、継続学習と訳されます。

技術士に合格したとしても、その分野の技術をすべて習得したことにはもちろんなりません。より高いレベルを目指す必要がありますし、より広く技術力を習得していく必要があるでしょう。

さらに、技術というのは、現在の技術をたとえ完璧にマスターしたとしても、10年後はさらに進歩しているものです。というかしていなければならないものとも言えます。

技術士は、自らの技術力を磨き続けて、自らのレベルアップや社会の変化への対応をしていく必要があるんですね。

また、技術士資格の更新制度についても話が出ているそうなので、少し調べておくといいかもしれません。

まとめ

技術士試験においては、本記事で紹介したような資質能力(コンピテンシー)について問われることになります。

今自分が勉強していること、勉強しようとしていることが、技術士に求められる資質能力のうちどれの勉強なのか、少しでも意識できると、頭への入り方も変わってくるかもしれません。

また、口頭試験では、これらのコンピテンシーを自分が満たしていることをしっかりとアピールする必要があります。

自分の経験と照らし合わせて、どの経験がどの項目に当てはまるか考えておきましょう!

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