【技術士口頭試験】2019年から新しくなった口頭試験のポイントと対策

土木分野の国家資格として多くの人が取得を目指す技術士(建設部門)。

先日、その技術士2次試験の筆記試験の合格発表がありました。
合格された皆さん、おめでとうございます!

そしてこれからは、筆記試験に合格した人のみ、口頭試験へと進んでいくことになります。

試験方法が変わった2019年度・令和元年度の試験ですが、口頭試験の対策としてはどのようなことが考えられるでしょうか?

「筆記試験が通れば9割方合格する」ともいわれますが、それは準備をしっかり行った人の話。準備をしなければ合格はなかなか難しいのは想像に易いでしょう。

口頭試験の準備をされている方に向けて、そのポイントや対策について、自分の経験からまとめていきたいと思います。

口頭試験の概要

筆記試験では、自分の経験や技術士とは何ぞや?と言うことについては、業務経歴書を記載したくらいでほとんど触れられていませんね。

口頭試験は、技術士として認められるのに必要なもののうち、筆記試験で網羅できていなかった内容について質問(確認)されると思っておいて間違いないでしょう。

口頭試験の概要は、以下のように記載されています。

① 口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ行う。
② 口頭試験は、技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における答案(総合技術監理部門を除く技術部門については、「選択科目」についての問題解決能力・課題遂行能力に関するものを問うもの)及び業務経歴を踏まえ実施するものとし、筆記試験の繰り返しにならないよう留意する。
③ 試問事項及び試問時間は、次のとおりとする。なお、試問時間を10分程度延長するこ とを可能とするなど受験者の能力を十分確認できるよう留意する。

平成31(2019)年度技術士第二次試験実施大綱 より

口頭試験は11月末~1月にかけて行われる、20分程度のテストです。

試験官は2~3人と言われており、場所は昔から東京のみで開催されています。

上記の試験大綱を読んでも、大事なのは②だということはわかると思いますが、具体的にはよくわかりません。

どういった項目を確認されるのか、何が重要なのかについて考えていきましょう。

口頭試験で確認される項目

口頭試験で確認される項目は、以下の通りとされています。いずれも、60%以上の点数を獲得できれば合格です。

Ⅰ 技術士としての実務能力
  1.コミュニケーション、リーダーシップ (30点満点)
  2. 評価、マネジメント (30点満点)
Ⅱ 技術士としての適格性
  3. 技術者倫理 (20点満点)
  4. 継続研鑽  (20点満点)

平成31(2019)年度技術士第二次試験実施大綱 より

Ⅰ 技術士としての実務能力

技術士としての実務能力と言うのはどういうものなのでしょうか?

まず、コミュニケーション、リーダーシップについては、自分が今までの経験の中で、どのようにコミュニケーションやリーダーシップを使って業務を遂行したか、が問われます。

どういうことかと言うと、上司や同僚、クライアントやユーザーなど、多様な関係者に対する意思疎通を行い、利害関係が対立した場合に調整できる能力があるか無いかを問われます。

次に、評価、マネジメントについてですが、これも同じで、自らの経験で評価、マネジメントをどうやって行ってきたかが重要です。

自らの業務に対してどのように評価し、その反省や改善点をどのように活かせるか、またはどのような波及効果があったか(今後考えられるか)について捉え、どのように次の業務にコミットするかについて問われることになるでしょう。

Ⅱ 技術士としての適格性

次に、適格性です。

技術者倫理については、技術者として倫理的に行動できるかどうか?が問われます。

法令を守ったり、自らの業務が公共に対してどのような影響を与えるかを評価する能力が求められます。もし○○のようなことがあったらあなたならどうする?と言う類の問いが多いと考えられます。

継続研鑽については比較的イメージしやすいかもしれません。

技術士の取得はゴールではありませんね。取得後も技術力向上のために何をしていくか、しっかりとビジョンを持っておきましょう。

口頭試験のポイント

そもそも、技術士とは?

「技術士」というのはどういう存在なのか、本来であれば受験申込の際にわかっておくべきことですが、なかなかそうもいかない人も多いと思います。

口頭試験では直接聞かれないにせよ、そもそも技術士とはどういった存在で、何を求められていて、何をしないといけないのかを頭に入れておいた方がいいでしょう。

技術士の定義については、技術士法の第2条に以下のように定められています。

技術士として登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいいます。

太字の部分は覚えておきましょう。

技術士のコンピテンシーとは?

「コンピテンシー」と言う言葉にあまり馴染みがない人も多いと思います。

コンピテンシーとは技術士会では資質能力と訳されており、能力とは明確に区別されるべき言葉だと思います。

つまり、技術士にふさわしい能力(専門知識など)だけではなく、それを公益のために用いるために必要な資質(倫理など)が求められているのです。

言い換えると、コンピテンシーを保持しているかどうかを確認するのが技術士試験の大きな目的であるということです。

技術士のコンピテンシーとして挙げられるのは以下の8つです。

専門的学識
問題解決
マネジメント
評価
コミュニケーション
リーダーシップ
技術者倫理
継続研さん

詳しくは、以下の記事で確認してください。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)。口頭試験に向けて、しっかりと整理しておきましょう。

技術士の3義務2責務とは?

技術士法の中で、技術士の義務と責務についても定められています。

義務と責務って同じような意味で使われることが多いですが、法律などでは明確に区別されています。

義務とは、当然しなければならないこと、責務は自分の責任として果たさないといけないことのことをいいます。

義務と責務の違いは、責任があるかどうかです。

技術士が必ずやらなければならないことが義務、技術士が自らの責任において果たすべきことが責務、という違いですね。

さて、それでは技術士法で定められている3義務2責務は何なのか、以下に示します。
これくらいはもう暗記しておきましょう。

3義務
 信用失墜行為の禁止(第44条)
 技術士等の秘密保持義務(第45条)
 技術士の名称表示の場合の義務(第46条)
2責務
 技術士等の公益確保の責務(第45条の2)
 技術士の資質向上の責務(第47条の2)

技術士の3義務2責務について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

技術士として仕事をすると、高度な仕事や難易度の高い仕事ができるようになります。それだけでなく、大きな責任を背負っていくことにもなります。技術士として最低限背負うべき義務と責務について、技術士法に則ってまとめました。

前年度までとの違い

それでは、2019年度の口頭試験は前年までと比べてどのように変わったのでしょうか?

公表されている2019年度前後の口頭試験の試問事項を以下に示します。

今まで確認されていたH30年度の①「経歴及び応用能力」がなくなっていることがわかりますね。

このことから、今まで定番だった「あなたの経歴を〇分で説明してください」みたいな質問がなくなる可能性もあります。

また、H30年度③「技術士制度の認識その他」も④「継続研鑽」に置き換わっていることがわかります。

制度自体への質問も今年はないのかもしれません。

いずれにしても、どんな質問をされるかはやってみないとわかりませんが、今年度は、より技術士のコンピテンシーと試問事項を合わせていることは明らかでしょう。

それぞれのコンピテンシーと自らの経験を照らし合わせて、なぜ自分が技術士にふさわしいのか、しっかりと説明できるようにしておくことが重要であると考えられます。

まとめ

技術士2次試験の口頭試験について、前年度との違いやポイントを踏まえて説明してきました。

口頭試験は筆記試験を合格した人だけが受けられるテストです。

すなわち、自らの専門知識や問題解決力は「お墨付き」なわけですね。

その自身をもって試験に臨むのが一番重要なので、しっかりと準備して、あとは自信満々で試験を受けましょう!

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