問題
液状化が懸念される砂層の液状化対策工法として、ふさわしいものに〇、ふさわしくないものに×を付けよ。
① サンドコンパクションパイル工法
② 薬液注入工法
③ 深層混合処理工法
④ グラベルドレーン工法
⑤ リチャージ工法
解説
① サンドコンパクションパイル工法
SPC工法とも呼ばれ、地盤中によく締め固めた砂の杭を造成し、地盤を強化する工法。
ほとんどすべての土質に適用でき、大深度の施工も可能です。
ただし、施工機が大きいため騒音・振動や周辺地盤への影響が大きいという特徴もあります。
砂層のせん断強度を向上させることができるため、液状化対策としては有効です。
よって、〇。
② 薬液注入工法
地下工事の安全性を高めることなどのために、水ガラスなどの薬液を地盤の間隙に圧入し、地盤中の水の流れを止めたり、地盤の強度を増加させる工事方法のことを言います。
薬液は水ガラス系薬液(ケイ酸ナトリウムが主成分)が用いられます。
過去アクリルアミドなどの高分子材料も用いられていましたが、民家の井戸水を汚染する事故を起こすなどの問題が発生したため、1974年7月、建設省の〈薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針〉が出され、劇物またはフッ素化合物を含む薬液の使用は禁止されました。
砂層の地盤改良にも用いられるため、〇。
③ 深層混合処理工法
セメント系固化材液を地盤に注入しながら土と混合撹拌することによって、柱状または壁状に地盤改良する工法です。
撹拌翼によりセメント系固化剤を注入しながら撹拌していく機械撹拌工法と、固化剤を高圧で噴射することにより撹拌する高圧噴射工法があります。
短期間で強度が得られるのが特徴ですね。
これも砂質土の地盤改良に用いられるので、〇。
④ グラベルドレーン工法
砂地盤中に砕石の柱を設けることで水平方向の排水距離を短縮し、地震時に生じる間隙水圧の上昇を抑止して、液状化を防止する工法です。
砕石(グラベル)の柱を砂層の近くに入れてやることによって、地震時に余剰になった水の逃げ道をつくっています。
砂層では 市街地でも使える有効な液状化対策と言われています。
よって、〇。
⑤ リチャージ工法
リチャージ工法は地下水低下工法の1つで、揚水した水を再び地中に戻す工法です。
ディープウェル工法で地下水低下を行った場合に、周辺地盤の地下水位低下の影響が大きい場合に用いられています。
そのため、地盤の強化や液状化対策としてはふさわしくありません。
よって、⑤は×。
解答
① 〇
② 〇
③ 〇
④ 〇
⑤ ×
地盤改良には様々な工法が用いられています。
同じ地盤を相手にする地下水低下工法と混同しないよう、しっかりと理解しておきたいですね。