シールドトンネルに関わっていると、「オーバーカット」、「テールクリアランス」「テールボイド」などと言った用語に出会います。
似たような部分の似たような長さ(距離)のことを表現していて、覚えたつもりでも後で混乱してしまう・・・なんて経験がある人も多いのではないでしょうか?
そんなときのためにまとめておきました。
オーバーカット
オーバーカット(over cut)とは、シールドにより掘削された地盤とシールドのスキンプレートとの間のことを言います。
余掘りとも言いますね。
これをコピーカッター等で大きめにすることで、曲線掘進がしやすくなる場合がありますが、あまり大きくすると地山を過度に緩めてしまうので注意が必要です。
テールクリアランス
テールクリアランス(tail clearance)とは、スキンプレートと組み立てたセグメントリングとの間のこと。
普通、ここにはテールシールがあり、裏込め注入材がシールド内部に逆流してこないようにしてありますね。
セグメントリングの真円度を計測するために、テールクリアランスの計測を行うなど、掘進管理でも用いられる長さでもあります。
テールボイド
テールボイド(tail void)とは、地山とセグメントリングとの間の距離のことです。
ここは掘削と同時に裏込め注入を行った場合は、裏込め注入材で満たされていますね。
裏込め注入材が不足したり、注入のタイミングが遅かったりしてしまうと、テールボイド発生時に地山が緩む原因になってしまいます。
崩壊性の高い地山の場合は注意が必要です。
まとめ
間違えやすい3種類の用語について解説しました。
似たようなところを指しますが、色々な議論の中でキーワードとして出てくる部分でもあります。
曲線施工ならオーバーカットが、真円度の確認であればテールクリアランスが、地山の緩みや裏込め注入に関することであればテールボイドがキーワードとして話題に上がるでしょう。
ぱっと聞いてわかるように整理しておきたいですね。