乾燥するからじゃない!コンクリートが固まる理由-コンクリートの硬化過程について

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コンクリートはセメント、砂、砂利、水と混和材・混和剤を混ぜて、一定の時間養生すると固まり、強度を発現するようになります。これは乾燥によるものとたまに間違えられますが、水和反応と呼ばれる化学反応によるものです。

この水和反応という言葉、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?

この反応自体は最初は高校化学で学ぶ反応で、それほど珍しい反応ではないので、耳にしたことのある方も多いと思います。

今回は、コンクリートの水和反応、硬化過程について、(土木分野の中では)ミクロな視点で説明していきたいと思います。

水和反応の概要

コンクリートの水和反応と言いましたが、水和反応をするのはコンクリートの成分のうちのセメントです。なので、ここからはセメントの水和反応について詳細を書いていこうと思います。

ただ、「セメントの水和反応」と一口に言っても、セメント硬化時の化学反応式は複雑で、一つや二つの化学反応式で表現できるものではありません

ここでは、セメントの水和反応によりどんな物質がどんな順番で生成されるか、よく使われるキーワードを交えながら説明していきます。

セメントは水と激しく化学反応を起こす性質を持っており、反応時は熱を発します。この熱を水和熱といい、できた生成物をセメント水和物と呼びます。セメント水和物はコンクリートの中で砂や砂利を結びつける接着剤のような役割を果たし、強固なコンクリートを生成するのに一役買っています。

この水和反応は、セメントと水が出会ってから数分後には始まり、1日後にはセメントが固まります。そして、普通のセメントでは28日程度で大半の水和反応が終わります。でも、反応はこの後も長期にわたって継続し、最近の研究では50年以上がたったコンクリートの中にも未反応のセメントが発見されています。

硬化過程

セメントが硬化する過程を説明するのに必要なのが「エトリンガイト」と「モノサルフェート水和物」という物質です。

セメントは水と出会うと、針状の結晶(エトリンガイト)が析出し、その後結晶同士が徐々に結びつく段階で他の水和物(モノサルフェート水和物)ができてきます。

エトリンガイト

化学式:3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2Oで表される鉱物で、AFtと表記されることがあります。

アルミネート相(C3A)と石膏との反応によって、水和反応が始まってすぐに針状結晶として析出します。早強ポルトランドセメントなど早期に強度を発現するセメントは、このエトリンガイトの強度に依存しています。

また、エトリンガイトが析出するとセメント硬化物の体積を膨張させる働きをします。これによって耐硫酸塩性が低下するため、耐硫酸塩ポルトランドセメントではアルミネート相の含有量が4%以下と規定されています。

モノサルフェート水和物

化学式:3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2Oで表される鉱物で、AFmと表記されることも。

析出したエトリンガイトが、石膏がすべて消費された後に、周りを取り囲む未水和のアルミネート相と反応し徐々にモノサルフェート水和物に変化します。

なお、石膏はこの反応を抑制することを目的に用いられています。

まとめ

このサイトでもコンクリート材料について多々触れてはいますが、そのコンクリート材料の硬化過程をはっきりと記述するのは非常に難しいことです。というか、複雑でいろいろな化学反応が同時並行するため、すべての反応式について記載する、というのは不可能なのかもしれません。

普段コンクリートを扱う技術者の中にも、硬化過程について”化学的に”説明ができる人は実は少ないのですが、ここで書いた内容は基本的な内容ですので、理解をしておきましょう。

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