大学の土木系学科を専攻している方は、土木技術者としての就職や社会での活躍を考えている人も多いと思います。
でも、土木技術者として活躍するにはどんな種類の仕事があるか?どんな会社があるか?よくわからなかったり、会社の違いもわかりにくい!という人も多いのではないでしょうか?
そんな人へ、土木技術者が関わることの多い仕事の流れや、各業界でどんな仕事をしているのか、説明していきたいと思います。
就職活動中の方や、就活に向けて不安がある方は是非ご覧ください。
土木系の仕事の流れ
土木技術者としての仕事は実に多岐にわたります。
それは、土木という学問が総合的な学問であって、土木に帰着するあらゆるものを対象としているからでしょう。
そんな土木を相手にする土木技術者として働く人の多い業種について紹介していこうと思いますが、その前に、土木系の仕事の流れについて簡単に説明しておきます。
土木の仕事は通常、「発注者」と呼ばれる機関が構造物の設計や工事等を発注し、「受注者」がそれを受注して実際に設計や工事を行います。
何をやるのかを考えるのが発注者、それを形にするのが受注者、と言えるでしょうか。
でも、実際の業務に明確な境目があるわけではないため、発注者と受注者は互いに協力しながら仕事を進めていきます。
それでは、土木技術者が活躍する会社などの団体を、この「発注者」と「受注者」の2つと「その他」にわけて説明していきたいと思います。
発注者
公務員(国、地方自治体)
発注者の代表的な例が国や地方自治体です。こういった公的な機関で働いている人を公務員と言います。
公共事業と呼ばれる、税金を使った国(都道府県、市町村)民のための事業を行います。
道端でよく見かける舗装の工事なども、国道なら国が、都道府県道なら都道府県が担当しています。
専門的な知識をもって仕事を進めるというよりは、土木における幅広い仕事を経験し、住民の代表である議会等と連携しながら事業を行うようなイメージです。
鉄道、高速道路
鉄道や高速道路の建設、管理などを行っているのも発注者に分類されます。
土木構造物で1番想像しやすいのがこれらの構造物かもしれません。発注者ながら高い専門技術力を求められる仕事であると言えるでしょう。
鉄道や高速道路といった重要なインフラを建設するために、新たな路線の計画や、地域住民の方との打ち合わせ、説明会などをしたり、それに向けた技術開発も行います。
また、発注者とし事業の重要な決定をしたり、現場をマネジメントする役目も担います。
鉄道会社
JR各社(東日本、東海、西日本など)、東京メトロ、東急、近鉄など
高速道路会社
NEXCO 各社(東日本、中日本、西日本)、首都高速道路、阪神高速道路、本州四国連絡高速道路
電気、ガス
その名の通り、電気やガスなどといったライフラインに携わることができます。
発電所の建設、保全は土木技術者がかかわりますし、ガスのパイプを通すためにも土木工事が必要になってきます。
電気の会社
東京電力、関西電力、中部電力等
ガス会社
東京ガス、大阪ガス等
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受注者
ゼネコン
ゼネコンとは、ゼネラルコントラクター(Contractor:請負人)の略です。
土木と言えばこの仕事じゃないでしょうか?
受注した構造物を、自社の技術力を結集して作り上げる仕事をする会社です。
構造物を作るために発注者との協議を繰り返し、現場で実際に作業する職人さんたちをマネジメントしていく仕事です。
若いうちはいろいろな現場を任され、その後に設計分野や技術開発分野に行ったり、現場の責任ある立場として活躍したりします。
スーパーゼネコン
鹿島建設、大成建設、大林組、清水建設
準スーパーゼネコン
五洋建設、西松建設、戸田建設、安藤ハザマ、前田建設工業
建設コンサルタント
ゼネコンが工事を受注する一方で、建設コンサルタントは構造物設計を受注します。
場合によっては研究開発や解析、技術基準の作成なども任せられる、専門知識が必要になる仕事と言えるでしょう。
多くの場合自らの持つ専門知識を活かして仕事をするため、発注者に対して技術的なアドバイスや解析結果の提示をします。
専門知識のほか、専門的な内容をわかりやすく伝えるプレゼン能力も求められる仕事でもあります。
建設コンサルタント会社
日本工営、建設技術研究所、パシフィックコンサルタンツ、オリエンタルコンサルタンツ、中央復建コンサルタンツなど
その他
分類の難しいものをこちらにまとめてみます。
前述の会社もそうなのですが、ここで挙げている会社は特に様々な仕事を行っているため、一概に分類できるわけではないですが、大まかにいうとこのような分類であると思ってください。
鉄鋼メーカー
新日鉄住金、JFEスチールなど
プラント
新日鉄住金エンジニアリング、JFEエンジニアリングなど
研究所
土木研究所、鉄道総合技術研究所、高速道路総合技術研究所など
まとめ
土木技術者として活躍できる就職先として有名なところを挙げて来ました。
ここに書いた会社はとても大きく、素晴らしい会社ばかりです。でも、就職したい会社を探すときには、素晴らしい会社は他にもあるので、広い視野で探してみてください。
就職活動を行う人にとっては、同じような業種でも、規模や得意分野や組織風土が違ったり、住む場所はどうなるか、肌に会うか会わないか、など、悩むことが多いと思います。
そんな人は、実際に働いている人や学生時代の先輩など、他の人と話してみるなどして、考えを巡らせましょう。
自分がどうなりたいかしっかりと考えて、自分が関わりたい分野で、社会での活躍を目指してください!