【コンクリート診断士】コンクリートの基準類の変遷

問題

JIS A 5038(レディーミクストコンクリート)の改正に関して、次の(A)~(C)の記述の内容が当てはまる年代の組み合わせとして、(1)~(4)のうち、正しいものはどれか。

(A)コンクリート中の「塩化物イオン総量」が規定された。
(B)アルカリシリカ反応に関して「無害と判断されない骨材を使用する条件」が規定された。
(C)生産者と協議して購入者が指定される事項に「単位水量の上限値」が規定された。

※2019年度コンクリート診断士試験問題

解説

コンクリートに関する技術基準は、技術の向上に伴って昔から何度も改定を繰り返されています。

より品質の高いコンクリートを目指して、セメントや混和材(剤)、各物質などの規格が定められてきました。

今回の問題は、JIS A 5308 レディーミクストコンクリートの変遷を問う問題です。コンクリート技術者にとっては大切なJISの項目のうちのひとつなので、しっかりと勉強しておきましょう。

JISなどの規格が更新され、守られてきたことにより、最近のコンクリートは昔のコンクリートと比べると、より均質で耐久性の高いコンクリートが多く作られるようになってきています。

昔のコンクリートでも、丁寧に打設されたコンクリートは非常に品質が高かったりもしますが、安定して品質の高いコンクリートができているわけではないですね。

これらの基準類の変遷については、覚えるしかありません

ある程度経験のある人であればなんとなくイメージがわくかもしもしれませんが、特に若い人は、重要なポイントは覚えておくようにしましょう

実務でも、何年前に製造されたコンクリートか把握することにより、変状の原因が推定しやすくなるでしょう。

(A)コンクリート中の「塩化物イオン総量」が規定された。

塩化物イオン総量は、現在のJISでは塩化物イオン量として0.30kg/m3以下と規定されています。

5.6 塩化物含有量

塩化物含有量は,塩化物イオン(Cl−)量として0.30 kg/m3以下とする。ただし,4.1 h) で塩化物含有量の上限値の指定があった場合は,その値とする。また,購入者の承認を受けた場合には,0.60 kg/m3以下とすることができる

JIS A 5308

これは1986年のJIS改定で定められました。

内在塩分の総量を規定することにより、将来的な塩害を抑制することが目的です。

(B)アルカリシリカ反応に関して「無害と判断されない骨材を使用する条件」が規定された。

JISでは、レディーミクストコンクリート用骨材のアルカリシリカ反応性について、以下のように区分Aと区分Bを定めています。

区分A:アルカリシリカ反応性試験の結果が“無害”と判定されたもの。

区分B:アルカリシリカ反応性試験の結果が“無害でない”と判定されたもの,
又はこの試験を行っていないもの。

この区分A,Bの骨材使用の条件が定められたのは1986年です。塩化物イオンの総量規定と同じ年と覚えておきましょう。

(C)生産者と協議して購入者が指定される事項に「単位水量の上限値」が規定された。

JISでは、購入者がレディーミクストコンクリートの購入に際し、単位水量の上限値を指定することができるとされています。

この規定ができたのは1993年

他にも、以下の項目について生産者と協議の上購入者が指定できることになっています。

a) セメントの種類
b) 骨材の種類
c) 粗骨材の最大寸法
d) アルカリシリカ反応抑制対策の方法
e) 骨材のアルカリシリカ反応性による区分
f)  呼び強度が36を超える場合は,水の区分
g) 混和材料の種類及び使用量
h) 5.6に定める塩化物含有量の上限値と異なる場合は,その上限値
i) 呼び強度を保証する材齢
j) 表6に定める空気量と異なる場合は,その値
k) 軽量コンクリートの場合は,軽量コンクリートの単位容積質量
l) コンクリートの最高温度又は最低温度
m) 水セメント比の目標値の上限
n) 単位水量の目標値の上限
o) 単位セメント量の目標値4) の下限又は目標値4) の上限
p) 流動化コンクリートの場合は,流動化する前のレディーミクストコンクリートからのスランプの増大量[購入者がd) でコンクリート中のアルカリ総量を規制する抑制対策の方法を指定する場合,購入者は,流動化剤によって混入されるアルカリ量(kg/m3)を生産者に通知する。]

解答

以上から、解答は(4)です。

すべての年代を覚えるのは難しいですが、勉強を進める中で出てくるさまざまな規定について、いつ頃定められたものなのかを意識しておくといいでしょう。

中でも、今回の問題にある「塩化物イオンの総量規定」「アルカリシリカ反応抑制方法」(いずれも1986年JIS改定)については頻出なので、覚えておきましょう。

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JISなどのコンクリートの材料規格の変遷を年表の形式でまとめました。
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