【コンクリート診断士】覚えておきたいコンクリート年表-材料規格の変遷

コンクリートは材料の特性や、練り混ぜる人、打設する人により品質が異なります。そのため、一定以上の品質を確保できるよう、技術基準や規格が様々な場面で定められています。

そしてこの技術基準や規格は一度決めたら永遠にそのままというわけではありません。

20年前、30年前のコンクリートと比べると技術の向上や耐久性に関する知見の知見の蓄積が進んでおり、それに合わせて技術基準や規格も進化していっています。

そのため、現在の基準のみの知識しか持ち合わせていない人は、今の基準と違う基準が用いられた時代につくられたコンクリートの耐久性を正確に評価することはできません。

また、だいたい何年前の基準の改定でどのように基準が変化したかを把握していなければ、目の前にあるコンクリート構造物の建設時期ではどのような基準が用いられていたかがわからず、診断の際に重大な見落としをしてしまう恐れもあります。

本記事では、コンクリートに関する基準の変遷をまとめ、それぞれの年代でコンクリートがどのように違うのか、どのような背景でそうなったのかを年表を基に説明していきたいと思います。

コンクリート年表

コンクリート材料に関する規格や基準の変遷を、以下の年表に示します。

JIS等で材料規格は改正を繰り返していますが、ここでは主なものをピックアップして記載しています。本当はもっときめ細やかに改正が繰り返されていることも覚えておいてください。

JESからJIS、ISO規格へ

コンクリートやセメントは様々な規格にしたがって製造され、品質を保っていますが、その規格も時代の流れに沿って変わってきました。

まず最初と言っていい工業規格はJES(日本標準規格、Japan Enginnering Standard)でしょう。

1921年、第1次世界大戦後に制定されました。このときのJESは現在「旧JES」と呼ばれています。1946年に大幅に改正され、「新JES」と呼ばれる規格が誕生しています。

その後、1949には「工業標準化法」に則りJIS(日本工業規格、Japan Industrial Standard)が誕生し、JESは廃止されました。

なお、これはまだ知らない人も多いのですが、2019年7月1日に産業構造の変化を踏まえ、法律名と規格名が「産業標準化法」、「日本産業規格」(JIS)に変更になりました。

JISも国際化の流れの中で、1995年頃から国際規格であるISO国際標準化機構International Organization for Standardization )と徐々に整合させていっており、コンクリート関連の規格の中にもISOに合わせる形で改正したものもあります。

ISOについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

建設部門に限らずあらゆる産業、工業に関わるISO規格。建設部門にも大きく関わる規格があります。このISOがどういうものなのか、どのように建設と関わるのか、解説します。

高品質なコンクリートへ

コンクリートの品質の向上に貢献したものの1つに、混和剤の登場が挙げられます。

1950年代にAE剤やAE減水剤がアメリカで導入されてから使用が拡大していき、1978年にAEコンクリートが標準的なコンクリートとしてJISで制定されました。

それに引き続いて、AE剤、減水剤、AE減水剤の化学混和剤が1982年に制定されています。

高性能AE減水剤は1980年頃から開発が始まり、1995年にJISに制定されました。
高性能減水剤は高強度コンクリートを中心に利用されていたということもあり、JISの制定が少し遅く、2006年にJISに制定されました。

塩化物イオン総量規制

耐久性のあるコンクリートとするために、セメントや骨材、混和剤等様々な規格が制定されてきました。

ポイントの1つとして、1986年の塩化物イオン総量規制を覚えておくといいでしょう。

塩害によるコンクリートの早期劣化が問題になることが増えてきていたため、コンクリート中の塩化物イオンの総量を0.30kg/m3以下とするよう規定されました。

つまり1986年より前に製造、打設されたコンクリートは塩化物イオン総量が0.30kg/m3より多く、塩害対策が十分でない可能性があると考える必要がありますね。

コンクリート構造物診断の際にはそのあたりが頭に入っていると役に立ちます。

アルカリシリカ反応の抑制

塩害対策と同じく、コンクリートの耐久性を高めるため、アルカリシリカ反応への対策も1986年にJISで制定されています。

対策の主なものは全アルカリ量の制限無害と判定された骨材の使用です。

全アルカリ量の制限では、コンクリート1m3に含まれる全アルカリ量を、Na2O換算で3.0kg以下とすることが定められています。

また、化学法やモルタルバー法により、骨材が「区分A(無害)」か「区分B(無害でない)」かと判定することとされました。
区分Aの骨材はそのまま用いることができますが、区分Bの骨材は無害であることが確認されていない骨材として、しかるべき対策を行って用いる必要があります。

購入者の指定事項

購入者の指定事項の中には、セメントの種類、骨材の種類、粗骨材の最大寸法、…などたくさんあります。

1993年に、単位水量の上限値が購入者の指定事項となったことは過去のコンクリート診断士試験にも出たように、覚えておくといいと思います。

コンクリート診断士の問題

少々お待ちください・・・・

まとめ

コンクリート年表を紹介してきました。一部の抜粋を紹介してきましたが、コンクリートの規格の移り変わりは、当時の問題や技術の向上などの背景が色濃く反映されています。

コンクリート診断士を受験予定の人は勉強してほしいところですが、年代と事実だけでなく、どのような背景から規格の改正等なされてきたのか頭に入れておくと、診断士としての業務に役に立つことでしょう。

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