コンクリートの劣化機構として挙げられるアルカリ骨材反応、もしくはアルカリシリカ反応。
この2つは厳密にいうと違うものであるというのを知っていましたか?
コンクリート工学の勉強をしていると絶対に出会うこの2つの劣化機構。それぞれの意味を理解しておくと役に立つかもしれません。
アルカリ骨材反応とは?
この2者を比較する前に、アルカリ骨材反応の発生メカニズムについて把握しておかなければならないでしょう。
以下に簡単に説明していきますが、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
メカニズム
アルカリ骨材反応は、コンクリート中のアルカリ分(ナトリウムやカリウム)が、コンクリート中に含まれる反応性骨材と反応することにより、ゲル状の物質を生成、それに水分が混ざると膨脹し、コンクリートにひび割れが発生するという現象です。
コンクリートのヤング率が減少し、コンクリート自体が劣化してしまう現象ですが、劣化の進展が遅く、水分がなければ生成したゲル状物質が膨張せず劣化が進展しないため、水分を遮断することにより対応することができます。
アルカリ骨材反応の種類
アルカリ骨材反応には大きく分けて2つの種類があります。
その2つが「アルカリシリカ反応」と「アルカリ炭酸塩反応」です。
そのうち「アルカリシリカ反応」がASRと呼ばれています。
アルカリ骨材反応とアルカリシリカ反応の違い
以上の説明で大体わかったと思いますが、アルカリ骨材反応とアルカリシリカ反応の違いは、「アルカリ骨材反応の1つの種類がアルカリシリカ反応」であるということです。
アルカリ骨材反応はこういった劣化現象の総称的な位置付けです。
また、日本で見つかっているアルカリ骨材反応のほとんどがアルカリシリカ反応(ASR)なので、ほとんど同じような使われ方をされる場合が多いですね。
ただし、「アルカリ骨材反応(ASR)」であったり、「アル骨でアルカリシリカゲルが発生」などという表現は厳密にいうと間違っていますので、注意しておいてください。
まとめ
以上がアルカリ骨材反応とアルカリシリカ反応の違いです。
アルカリシリカ反応=ASRはアルカリ骨材反応の1種類であることをしっかり意識しておきましょう。
文章などで表現するときには、気を付けないと混同してしまうため、気を付けたいですね。