構造力学でしばしば聞く、「面内曲げ」と「面外曲げ」などと言う言葉。
構造力学に慣れていないと、この「面内」とか「面外」とかいう考え方は少しわかりにくいかもしれません。
そこで今回は、この面内や面外という概念について説明していきたいと思います。
面内方向と面外方向
面内曲げや面外曲げ、または面内引張などといった曲げや応力は、面内方向もしくは面外方向に生じる曲げや応力のことを指しています。
では、この「面内方向」や「面外方向」とはどのような方向のことを指すのでしょうか?
この「面内方向」と「面外方向」の考え方についてはっきりと理解できれば、これらの言葉の意味が理解できると思います。
面内方向、面外方向について理解するために、まず、下図のようなx-z平面に広がりを持つ平板(厚みはy軸方向)を考えます。
この平板を変形させることを考えていきましょう。
まず、下図(赤)のように平板がx-z平面に広がりをもったまま変形することを想像してみてください。
この場合、y軸方向から垂直な方向から見ても、平板の厚みだけが見えるだけで変化はありませんね。
このときに変形している方向を、「面内方向」といいます。
その名の通り、x-z平面の「面の中」で変形していることがわかりますね。
それでは次に、下図(緑)のように平板がはらみ出すように変形したとします。
一般的にこの平板の変形を考えるとき、容易に想像するのはこの変形ですね。
これはx-z平面の外に変形しています。
y軸に直角な方向から見ると、変形しているのがよくわかるはずです。
この方向を、「面外方向」と言います。
まとめ
以上が、面内方向と面外方向の違いでした。
基準として考えている平面内における方向を「面内方向」、その平面の外に出る方向を「面外方向」と言うんです。
一般的には面外方向における変位や応力を相手にすることが多いですが、特殊な場合は面内方向のそれらも相手にすることがあります。
目の前にしたときに戸惑わないよう、少し難しい概念ですがしっかりと理解しておきましょう。