長スパンの橋梁に適用されることの多い斜張橋。
橋脚の数を少なくできるので、桁下の空間を広く(高く)取れるため、航路の確保などのメリットが考えられます。
また、景観にも馴染みやすく、ランドマークとして認識されている斜張橋も少なくありません。
今回は、そんな斜張橋の種類についてまとめていきます。
斜張橋の種類
斜張橋は斜めに張ったケーブルの張り方で3種類に分類されます。

放射型(ラジアル型)
主塔の先端でケーブルをまとめるような張り方のことを言います。
ケーブルの角度が大きくなるため、鉛直方向の荷重が伝わりやすくなります。
ただ、主塔の上部にケーブル定着部が集中してしまうため、ケーブルの本数が少ない斜張橋に適用されます。

写真は広島県HPより(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/97/onomichi-bridge.html)
ファン型
主塔のケーブル定着部を少しずつずらしていったケーブルの張り方です。
長大橋では後述のハープ型と並んで多く見られる種類の斜張橋です。

ハープ型
主塔のケーブル定着部が一定間隔で、ケーブルが平行に張られている斜張橋です。
景観の観点では、最もすっきりしていて綺麗に見えやすいと言われています。

写真は北海道土木技術会コンクリート研究委員会HPより(http://www.concom-h.com/structure/561/)
まとめ
長大橋で多く用いられる斜張橋。
構造的に合理的であり、桁下の利用などメリットが多くある上に、景観の観点からも非常に優れた橋梁です。
吊橋やエクストラドーズド橋と斜張橋は混同されやすい橋梁でもありますが、土木工学ではこれらと斜張橋は違うものとして区別されているので気を付けてくださいね!