問題
下表のコンクリートの配合に関して、(1)~(4)の値を計算せよ。
ただし、セメントの密度は3.16g/cm3、粗骨材の表乾密度は2.65g/cm3、細骨材の表乾密度は2.60g/cm3とする。
(1)水セメント比(%)
(2)細骨材率(%)
(3)空気量(%)
(4)フレッシュコンクリートの単位容積質量(kg/m3)
解説
コンクリート技士・主任技士試験に頻出の配合計算に関する問題。
試験では選択肢式ですが、ここでは計算の仕方が分かるよう、計算問題としています。
基本的な配合計算のやり方が分かっていればできる穴埋め問題ですので、ぜひトライしてみてください。
(1)水セメント比(%)
水セメント比はその名の通り、水とセメントの質量の比です。
“質量”の比であることはしっかりと覚えておきましょう。
1m3あたりの単位水量は175kg、セメントは350kgなので、
水セメント比 W/C = 175 / 350 = 0.50
よって、水セメント比は50.0%となります。
(2)細骨材率(%)
細骨材率は、骨材の中に占める細骨材の容積の割合です。
与えられた情報では、細骨材の容積はわかっていますが、粗骨材の容積が分かりません。
そこでまず、粗骨材の質量(表乾)と表乾密度から、粗骨材の容積を求めましょう。
ここで、”1l(リットル)“は1辺10cmの立方体の容積であることを間違えないように計算しましょう。
細骨材率は、算出した粗骨材の容積と、すでに分かっている細骨材の容積から、計算できます。
よって、細骨材率は44.1%となります。
(3)空気量(%)
空気量はコンクリートの容積の中で空気が占める割合を示します。
コンクリートは、セメント、水、空気、骨材(細骨材と粗骨材)そして混和材でできています。
空気量は、コンクリート全体の容積から空気以外の容積を差し引けば計算できます。
この問題では混和材の容積はないので、混和材以外を考えます。
よって、空気量は4.5%となります。
(4)フレッシュコンクリートの単位容積質量(kg/m3)
フレッシュコンクリートの単位容積質量は、全体の質量を容積で割ることにより算出できます。
まず、全体の質量を求める必要がありますが、細骨材(表乾)の質量が与えられていないので、問題文の表乾密度と、表中の容積から計算しましょう。
次に、フレッシュコンクリート全体の質量を全体の容積(=1m3)で割ることにより、単位容積質量を算出します。
よって、フレッシュコンクリートの単位容積質量は、2,283kg/m3となります。
解答
(1)~(4)の解答は以下の通りとなります。
(1)水セメント比:50.0(%)
(2)細骨材率:44.1(%)
(3)空気量:4.5(%)
(4)フレッシュコンクリートの単位容積質量:2,283(kg/m3)
また、問題文の表は以下のように完成されます。
実務経験があれば求めるべき数字はある程度感覚でわかると思いますが、実務経験がない人は感覚をつかむのに時間がかかるかもしれません。また、計算問題が苦手な人は習得に時間がかかってしまうと思います。
そういう人は、少し面倒ですが、結局何度か手を動かして計算するのが一番です。何問か答えを見ずに自分で計算してみると、実務に役立つ知識を身に着けることができるでしょう!
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