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技術士の少し昔の試験問題を見ていると「国際単位系(SI単位)」に関する問題や概念についての出題がされている場合があります。
SI単位については日本国内でも一般的に用いられている単位系で、よく耳にするし、使用している単位です。
ただ、日本では国際単位系以外でまだ表現されている場合もあり、混在してわかりにくくなっている場合もあります。
単位の違いや変換の仕方を知っておくことは、技術者として適切な判断を行うために必要な場合があるので、本記事にまとめてみています。
SI単位とは?
SI単位=国際単位系であり、英語では International System of Units と呼ばれています。
「SI」はフランス語に由来しており、Système International d’unités がもとになっているそうです。
SI単位で基本とされる単位は7つで、この組み合わせで様々な物理量を定義しています。
この7つの単位を基本単位、補助的に設けられる補助単位、その組み合わせでできる単位を組立単位と呼んでいます。
また、物理量が大きくなった場合、小さくなった場合に着けることのできるSI接頭語(ヨタ(Y)、テラ(T)、メガ(M)、ミリ(m)、ナノ(n)など)ともセットで表現されます。
7つの基本単位
SI単位を構成する基本単位は以下の7つです。
- 長さ、メートル、m
- 質量、キログラム、kg
- 時間、秒、s
- 電流、アンペア、A
- 温度、ケルビン、K
- 物質量、モル、mol
- 光度、カンデラ、cd
なお、補助単位としては平面角を示すラジアン[rad]、立体角を示すステラジアン[sr]の2つがあります。
SI組立単位
基本単位を組み合わせることにより表される単位を組立単位と呼んでおり、以下のようなものがあります。
いずれも算出式における単位をそのまま掛け合わせてやることで表現できることがわかると思います。
これが組立単位の基本になります。
面積:m2
速度:m/s
加速度:m/s2
固有の名称を持つSI組立単位
SI組立単位の中には、固有の名称を持っているものがあります。
間違えることが多いので、ここでいくつか例を挙げてみます。
力:N、ニュートン
力は運動方程式F=ma=(質量)×(加速度)で求められますね。
単位も同じように考えます。
質量はkg、加速度はm/s2。
これらを組み合わせることにより、NをSI基本単位で表現すると、
m kg s-2
となります。
圧力:Pa、パスカル
圧力は(力)/(面積)ですね。
力:Nは前述のようにm kg s-2で表現されます。
これを面積:m2で割るため、m-1 kg s-2となります。
周波数:Hz、ヘルツ
周波数は1/(周期)で求められますね。周期は時間のことですので、単位はs。
すなわち、周波数を基本単位で表すと、s-1となります。
エネルギー:J、ジュール
では、エネルギーはどうでしょうか?
力学的エネルギーを例にとると、エネルギーは(力)×(距離)で表現できますね。
力はm kg s-2なので、これに距離の単位mをかけてm2 kg s-2となります。
まとめ
一度理解してしまえば簡単なSI単位ですが、考え方がわからなければずっと悩むことになります。
特に、固有の単位が一般的に用いられているものについては、SI単位で表現するとどのようになるのかしっかりと理解しておきましょう。