問題
骨材の種類、品質が変化したとき、同じスランプのコンクリートを得るために必要な調・配合の補正に関する次の(1)~(4)の記述のうち、適当なものには〇、不適当なものには×を付けよ。
(1)細骨材の粗粒率が小さくなったので、細骨材率を大きくした。
(2)粗骨材の最大寸法を小さくしたので、単位水量を多くした。
(3)粗骨材の実積率が大きくなったので、細骨材率を大きくした。
(4)細骨材を砕砂から川砂に変更したので、単位水量を小さくした。
解説
コンクリート技士・主任技士試験に頻出の問題。
どういったときにスランプが大きくなり、どういうときに小さくなるのか、正確にとらえておきましょう。
(1)細骨材の粗粒率が小さくなったので、細骨材率を大きくした。
粗粒率とは、80、40、20、10、5、2.5、1.2、0.6、0.3、0.15mmの網ふるいの1組を用いて、ふるい分けを行った場合の、各ふるいを通らない全部の試料の百分率の和を100で除した値です。
要は、粒がどのくらい大きいかを示す値です。
そのため、細骨材の粗粒率が小さくなったということは、粒が小さくなることを意味するので、スランプを同じにしようと思ったら、細骨材率は小さくするのが正解です。
よって、×。
(2)粗骨材の最大寸法を小さくしたので、単位水量を多くした。
粗骨材の最大寸法を小さくすると、骨材の実積率が小さくなります。
そうなると、骨材間の間隙も大きくなるため、モルタルがたくさん必要です。
よって、多く必要となるモルタルとともに、単位水量は多くする必要があります。
〇。
(3)粗骨材の実積率が大きくなったので、細骨材率を大きくした。
粗骨材の実積率が大きくなると、骨材間の間隙が小さくなります。
そのため、モルタルが余剰となり、スランプは大きくなります。
スランプを一定に保つ(スランプを小さくする)ためには、単位水量を小さくするか、細骨材率を小さくする必要があります。
よって、×。
(4)細骨材を砕砂から川砂に変更したので、単位水量を小さくした。
細骨材を砕砂から川砂に変更すると、実積率が大きくなります。
これは、砕砂より川砂の方が角がなく丸みがあるためで、この影響により骨材間の間隙は小さくなります。
そうなると、モルタルは余剰となるため、スランプを一定に保つためには、単位水量を小さくするか、細骨材率を小さくします。
よって、〇。
解答
(1)×
(2)〇
(3)×
(4)〇
スランプに関するこのような問題は頻出です。
どういった条件でスランプが大きくなるか、小さくなるかは、コンクリートに関わる技術者としては基本的な部分になるので、しっかりと押さえておきましょう。
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この問題と同じように、コンクリートの調・配合によってコンクリートの特徴がどのように変化するか、と言う問題を、以下の記事で紹介しているので、ご覧ください。