【コンクリート技士・主任技士】セメントの成分

スポンサーリンク

問題

JIS R 5210(ポルトランドセメント)に規定されている普通、早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩ポルトランドセメントの組成化合物含有量の割合の例、下の棒グラフの(A)、(B)、(C)、(D)、(E)に示す。それぞれに対応するポルトランドセメントの種類を示した組み合わせとして、正しいものはどれか。

C3S :けい酸三カルシウム(エーライト)
C2S :けい酸二カルシウム(ビーライト)
C3A :アルミン酸三カルシウム(アルミネイト相)
C4AF :鉄アルミン酸四カルシウム(フェライト相)

解説

コンクリート技士・主任技士試験に頻出のこういった問題。

セメントの種類と、セメントに含まれている成分の特徴の組み合わせを正しくとらえていることが大切です。

まず、特徴が真逆の「早強ポルトランドセメント」と「低熱ポルトランドセメント」をまず見極めましょう。

早強ポルトランドセメントは、初期強度を大きく発現させるために、初期強度の発現性に優れたけい酸三カルシウム(C3S)を多く含み、けい酸二カルシウム(C2S)は少なくなっています。
よって、けい酸三カルシウムの割合が最も多い(A)が早強ポルトランドセメントです。

低熱ポルトランドセメントは、早強ポルトランドセメントと反対で、けい酸三カルシウム(C3S)は少なく、水和熱の小さなけい酸二カルシウム(C2S)を多く含みます(40%以上)。
また、水和熱の大きなアルミン酸三カルシウム(C3A)は6%以下に規定されています。
よって、けい酸二カルシウムの割合の大きな(C)が低熱ポルトランドセメントです。

続いて、「普通ポルトランドセメント」と、「中庸熱ポルトランドセメント」を見極めます。

この2者を比較すると、初期強度の発現性に優れるけい酸三カルシウム(C3S)は、普通ポルトランドセメントの方が多く含みます。
水和熱の大きなアルミン酸三カルシウム(C3A)は、中庸熱ポルトランドセメントでは8%以下に規定されています。
よって、(D)が普通ポルトランドセメント、(E)が中庸熱ポルトランドセメントとなります。

最後に、耐硫酸塩ポルトランドセメントですが、耐硫酸塩性の劣るアルミン酸三カルシウム(C3A)の含有量を4%以下に規定しています。
ですので、グラフを見ると、(B)か(C)か(E)かな?といったところですが、既に(C)、(E)は他の条件で決まっているので、(B)となるでしょう。

解答

答えは(4)
答えだけでなく、「なぜそうなるか?」を理解しておきましょう。

セメントの成分について詳しくまとめていますので、こちらの記事も参考にしてください。

セメントの主たる成分について。なぜ、各種セメントがそれぞれの特徴(低熱、早強など)を持つのか?それはセメントの成分を紐解けばわかります。
スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク