橋梁でも住宅でも、あらゆる構造物は地盤の上に位置しています。
そのため、地上の構造物は最終的に地盤に自分の重さや利用者の重さ、地震などの力を伝え、地盤に支えられて構造を維持し、その役割を果たしていると言えます。
その構造物の力を地盤に伝えている部材、もしくは、構造物を支えている部材を「基礎」と呼んでいます。
今回は、この基礎の役割や、基礎を語る上でよく出てくるフーチングについてなど、基礎的な部分を解説していきたいと思います。
基礎の役割
基礎は構造物の自重やそれを利用する電車、自動車、人や地震などの荷重を地盤に伝達し、構造物全体を支える役割を担っています。
構造物に作用する大きな力を地盤に伝えなければならないので、地盤がどの程度丈夫なのかによって基礎の種類を考えていく必要があります。
例えば、強固な地盤であれば根入れ深さ(下図参照)を浅くした直接基礎でも十分ですが、軟弱な地盤であれば根入れ深さを大きくしたり、地下深くにある強固な地盤まで杭を打つ杭基礎に変えなければならなかったりします。
また、海底の基礎は止水しながら構築するため、止水壁と一体となった基礎とする場合もあるなど、場所や地盤によってその種類は様々です。
基礎には地盤の土圧や地下水の水圧、地盤との摩擦力などの力が発生します。
フーチングとは?
フーチングとは、 地盤の支持力を増すために、基礎の底面を幅広くした部材のことをいいます。
フーチングがあることで、構造物の荷重を地盤に分散して伝えてくれるため、基礎構造物が安定します。
また、地震時などに水平方向の荷重がかかった時も、地盤の自重などにより転倒を防いでくれるという役割もあります。
基礎を杭基礎等とする場合も、このフーチングから杭を構築する場合が多くあります。
また、フーチングを有する直接基礎を、フーチング基礎と言ったりもしますね。
基礎の種類
基礎の種類は下の記事でまとめています。ぜひご覧ください!
まとめ
構造物の「基礎」についての基礎を解説しました。
なかなか普段目にはしませんが、構造物を支える重要な部材であり、設計から施工まで様々な工夫がなされています。
そんな「縁の下の力持ち」のような役割の基礎について、少しでも多くの方に興味を持っていただければ嬉しいです!