普段使う駅に潜む危険-なかなか設置の進まないホームドア

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皆さん、通勤、通学やお出かけに電車を使うとき、「ホームに柵がなくて怖いな~」と思ったことありませんか?

私は普通のサラリーマンですので、毎日電車を使って通勤をしています。
私が使っている駅も、かなり多くの人が使用しているのにもかかわらず、「柵」がありません

当然、利用者の中には足が不自由な方もおられれば、目の不自由な方もおられますし、時間帯によってはちょっとアルコールの入った利用者もおられることでしょう。
実際に、車両との接触や人身事故などは日々起こっていますよね。

線路からホームまでは約1.0m前後で、落ちるだけでもかなり危険です。打ち所が悪いと骨折など大きなけがも考えられます。

当然、電車が走ってきますので、轢かれる危険もありますし、電気設備も通っているので感電の恐れもあります。

ではなぜ、線路上はこれほど危険であるにもかかわらず、各鉄道会社の多くのホームでこのような状態が放置されているのでしょうか?

対策が進められているとはいえ、まだまだ全国的には追いついていないのが現状でしょう。
そこで今回は、そもそも鉄道の柵がなぜ少ないのか?日本の現状、これからの方向性は?などについてまとめたいと思います。

鉄道の柵「ホームドア」の歴史

”Wikipwdia   https://ja.wikipedia.org/wiki/ホームドア より”
鉄道の柵は、「ホームドア」と呼ばれています。
世界初のホームドアは、1961年に完成した、ソ連の勝利公園駅と言われています(上記写真参照)
かなり厳重ですね・・・
1812年にボロジノの戦いでナポレオン軍とロシア軍が戦った時の絵があるような駅なので、ソ連政府もかなり力を入れて作ったのでしょう。
日本の鉄道で初めてホームドアが採用されたのは、1974年完成の東海道新幹線熱海駅です。東海道新幹線の開業が東京オリンピック直前の1964年ですから、この10年間は新幹線でさえもホームドアがなかったんですね。恐ろしい・・・
その後、普通鉄道では東京メトロ(当時営団地下鉄南北線)で導入されました。

日本の現状

今、日本全国には約9,000以上もの駅があります。その中で、ホームドアの設置がされている駅は、686駅(2017年3月末時点、国交省HPより)。7.0%程度ですね。
同HPによると2007年には318駅程度だったので、この10年で倍以上にはなっていますが、全体の数からいうとまだまだのようです。

なぜ、設置が進まないのか?

日本でホームドアの設置が進まない理由はいくつかあります。その中で、私が主だと思うもの、納得いくものを何点か挙げたいと思います。

  1. お金の問題
  2. 構造の問題
  3. 車両、システムの問題

それぞれ、順を追って説明していきます。

1.お金の問題

これはわかりやすいですね。全国各地に無数にある駅にホームドアを設置しようと思ったら、膨大な費用がかかります。
その費用は、なんと一駅当たり数億円~数十億円と言われています。

ホームドアの設置については、国と自治体が鉄道会社に対し総費用の3分の1ずつを補助する制度があるそうですが、それにしても鉄道会社にとっては大きな負担。
地方のローカル線なんかは実質かなり難しいのではないでしょうか?

2.構造の問題

ホームドアはとても重いんです。それをホームの端から端までつけようと思ったら、ホームの構造自体にも大きな負担がかかります。

ホームって、人が待っているところの下に空洞があることが多いですよね?
あれは退避空間として重要なんですが、構造上は弱点となります。
その上にホームドアを設置しようと思うと、多くの場合補強が必要になってしまいます

これが原因で、ホームドアをなかなか設置できないような場合も多くあります。

また、ホーム自体が狭くて、ホームドアを設置すると車椅子が通れなくなったり、構造上重要な柱がホームドア設置に邪魔になるところにあることもあります。

昔なるべく小さなスペースに駅を設置してきたことが、残念ながら今は仇となってしまっているようです。

3.車両、システムの問題

日本の駅では、特に都会の駅だと、同じ駅でも、特急・急行・各駅停車etc…いろんな電車が止まりますね。そして、多くの場合これらは扉の位置が違います。これが厄介。

すべての車両に対応する部分に扉を設置していたら、扉だらけになってしまいます。
また、来る車両ごとに違う扉を開くような運用も必要となります。

あともう1点、ホームドアを設置すると、すべての電車を同じ位置に停車させなければなりません。

自動列車運転装置(ATO)という、運転を自動化してくれる装置を導入している場合はそれが可能でしょうが、運転手が運転しなければならない路線(高密度路線など)は、同じ位置での停車はなかなか難しいでしょう。

技術開発

ホームドアの設置について、課題が多くあることは上に述べましたが、鉄道会社も黙ってはいませんよね。次々に技術開発も進めています。その一部を紹介します。

■マルチドア対応ホームドア

車両の扉がたくさんあるなら、その分ホームドアもたくさんつけてやろう、という発想です。ただ、その分コスト増になるでしょうし、乗り降り口の数にも限界がありそうです。車両自体の扉が2種類程度だったら対応できそうですね。

■戸袋移動型ホームドア

戸袋移動型ホームドアとは、車両の扉の位置に合わせて戸袋を移動させるホームドアです。
(youtube:https://www.youtube.com/watch?v=u6_NMAfGeVs
ハイテクですね~。地方の特急列車など高密度輸送路線でなければ力を発揮してくれそうです。

■昇降ロープ式・昇降バー式ホームドア

写真はJR神戸線六甲道駅(JR西日本HPより)
課題の多いホームドアの中で、切り札的存在がこれ。
従来のホームドアと比べ、戸袋(ドアの収納部分)が必要ないため、ホームドアの開く部分を広く確保することができます。

また、重量感のあるドアと違い、ロープやバーのみで仕切るため、比較的軽量で、ホームの補強も最小限に留めることができるというメリットもあります。
ただし、目が不自由な方からは、「車両のドアの位置がわかりづらい」という声も寄せられており、すべてを解決できているわけではなさそうです。

これから私たちはどうすべきか?

技術の面で、一番現状解決に近いのは、「昇降ロープ式・昇降バー式ホームドア」だと思います。ただ、身体障がい者の便利という意味では課題が多いのも事実。
こういった事情も考えると、私は、長期的には車両の扉一の統一・停車位置を一定にするシステム(ATO含む)の全面導入が必要であると考えます。
対処療法的な対応だけでなく、問題の根本を解決するという意味で、時間やお金がかかると思いますが、計画的に対策を進めてほしいと思います。

また、私たち利用者にとっても他人事ではありません。
身体障がい者への声掛けなど、協力できるところは協力して、社会としてこの問題に取り組んでいけるといいですね。

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